【抜歯した後はどう治す? 欠損部へのインプラント・ブリッジ・入れ歯の治療方法について】

歯を抜いた後はどうする?インプラント・ブリッジ・入れ歯をやさしく解説
こんにちは!東急池上線・東急大井町線『旗の台駅』東口から徒歩30秒 イオンタウン旗の台2階の歯医者、旗の台歯科・矯正歯科、院長です!
今日は「歯を抜いた後の治療方法」について、やさしくご説明します。抜歯したままにしておくと、隣の歯が倒れてきたり、かみ合わせが乱れたり、あごの骨がやせて見た目や将来の治療に影響することがあります。ここでは、抜歯後にお口の中で起こる変化と、代表的な治療法(インプラント・ブリッジ・入れ歯)、選び方のポイントまで一気にご紹介します。
抜歯後の体の変化(なぜ放置はNG?)
歯を抜いた直後の穴(ソケット)は、まず血のかたまりで満たされ、その土台の上に歯ぐきや骨が少しずつ回復していきます。ただ、時間とともに骨の高さや幅は減りやすく、特にほほ側の骨が痩せやすいことが知られています。喫煙や糖尿病などの全身状態も治りに影響します。将来インプラントなどを考える場合は、抜歯直後からの対策がとても大切です。
抜歯後の治療方法(3つの選択肢)
抜歯後によく選ばれる治療は、インプラント・ブリッジ・入れ歯(義歯)の3つです。お写真といっしょに特徴を見ていきましょう。
インプラント:自然な噛み心地に近づけたい方に
写真例:インプラントは骨に人工の歯根を入れ、その上に歯を装着します。
あごの骨に小さなチタン製の人工歯根を埋め込み、その上にセラミックの歯をのせる方法です。隣の歯を削らなくてよいのが大きなメリットで、見た目・噛み心地ともに自然に近づけやすい治療です。骨に力が伝わるため、骨量の維持にも良い影響が期待できます。一方、軽い手術が必要で、骨が薄い場合は骨造成など追加処置が必要になることがあります。費用は自費が中心で、治療期間も最短3ヶ月〜半年以上とやや長めです。
ブリッジ:短期間でしっかり噛みたい方に
写真例:両隣の歯を土台にして橋のように人工歯を固定します。
抜いた歯の両隣の歯を少し削り、それらを支えに人工歯を橋渡しする方法です。比較的短期間で噛めるようになり、保険適用になるケースもあります。ただし健康な歯を削る必要があり、その歯に将来的な負担がかかる可能性があります。骨のやせや見た目の変化に対しては、インプラントほどの抑制効果は期待しにくい点もあります。
入れ歯(義歯):手術は避けたい・費用を抑えたい方に
写真例:取り外し式で、お手入れや調整をしながら使います。
取り外し式の人工歯です。抜歯後すぐに仮の入れ歯で見た目を保つことも可能で、手術不要・費用を抑えられるのが利点です。はじめは違和感を覚える方も多く、噛む力はブリッジ、インプラントに及びません。毎日の清掃、数年ごとの調整・作り替えが必要になります。
治癒を助けるサポート処置
将来インプラントを考えている方には、抜歯直後に骨の形を守るソケットプリザベーション(骨補填材などで穴を保護する方法)が役立つことがあります。また、ドライソケット(抜歯後の強い痛み)への早期対応、さらに糖尿病の方などでヒアルロン酸を応用して治癒を助ける取り組みも報告されています。体調やリスクに合わせて最適な方法をご提案します。
どれを選ぶ?—判断のポイント
治療の向き・不向きは人それぞれになります。インプラントであれば3DCTで骨量や位置関係を確認し、
①骨の量と質 ②隣の歯の状態 ③見た目・噛み心地の希望 ④費用と通院期間 ⑤手術への不安—を総合して決めていきます。外科処置が苦手、不安、保険適用内でなるべく治療したいという方はブリッジ、入れ歯にて治療を進めていきます。当院では、抜歯後の経過観察から治療計画・メインテナンスまで一貫してサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
参考文献
- Udeabor SE, et al. Current Knowledge on the Healing of the Extraction Socket. 2023.
- Apaza-Bedoya K, et al. Efficacy of alveolar ridge preservation with xenografts… Clin Implant Dent Relat Res. 2024.
- Ruggiero T, et al. Hyaluronic Acid Treatment of Post-Extraction Tooth Socket Healing in Subjects with Type 2 Diabetes. J Clin Med. 2024.
- Scheuber S, et al. Implants versus short-span fixed bridges. PubMed Review. 2012.