【歯を残す最後の砦!根管治療(神経の治療)とは?】

歯を残す最後の砦!根管治療(神経の治療)とは?
こんにちは!東急池上線・東急大井町線『旗の台駅』東口から徒歩30秒 イオンタウン旗の台2階の歯医者、旗の台歯科・矯正歯科、院長です!
今日は「根管治療(こんかんちりょう)」についてお話しします。根管治療は「歯の神経を取る治療」と言われることが多いですが、実は歯を抜かずに残すためのとても大切な治療です。「痛いの?」「どんなことをするの?」と不安に思う方のために、できるだけやさしく解説します。
根管治療とは?
根管治療は、虫歯や外傷で歯の神経(歯髄)が感染したときに行います。歯の中の細い管(根管)から感染した組織や細菌を取り除き、内部をきれいに消毒して薬で密封することで、歯を抜かずに保存することを目指します。
どんなときに必要?
- 虫歯が深く神経まで達したとき
- ズキズキ痛みが強いとき、夜眠れないほど痛むとき
- 以前治療した歯が再び腫れたとき
- 歯のひび割れから細菌が入り感染したとき
治療の流れ
- 局所麻酔で痛みを抑える
- 虫歯や古い詰め物を除去し、歯の中にアクセス
- 神経や感染物質を取り除く(ファイルという器具で清掃)
写真:根管治療中の写真。歯科用顕微鏡を使用。
- 薬で根管内部を消毒し、必要に応じて数回通院
- 根管を薬でしっかり密封(根管充填)
- 土台と被せ物を作り、噛めるように回復
痛みや治療回数
現在は麻酔や器具が進歩しており、痛みはかなり抑えられます。治療回数は歯の根の数や感染の程度によりますが、2〜3回で終わることが多いです。膿が大きい場合は炎症が落ち着くまで回数が増えることもあります。
成功率と予後
根管治療の成功率は70〜90%とされますが、根管の形が複雑だったり以前の治療が不十分な場合は下がることもあります。再治療や外科的歯内療法で対応できることもあります。
再発を防ぐために
- 治療中は仮の蓋が外れないよう注意する
- 治療後はできるだけ早く被せ物を装着する
- 定期的な検診とブラッシングで再感染を予防する
まとめ
根管治療は怖いものではなく、歯を抜かずに残すための大切な治療です。早めに行うほど成功率は高まり、再発も防ぎやすくなります。歯の痛みや腫れがある方は、我慢せず早めにご相談ください。
参考文献
- Ng Y-L, Mann V, Gulabivala K. Factors affecting outcomes of nonsurgical root canal treatment. Int Endod J. 2011;44(7):583-609.
- Siqueira JF, Rôças IN. Microbiology of bacterial persistence after treatment. J Endod. 2008;34(11):1291-1301.
- 日本歯内療法学会「根管治療ガイドライン 2020」