小児矯正について
大人になる前にしかできない矯正治療があります!
小児矯正とは、幼い頃から矯正装置を使用することで、歯並びをより綺麗に並べ、骨格的にも顔つきも美しく、また気道が広がり口呼吸から鼻呼吸になる、などの変化があります。
口呼吸は大人になってからであると治すのが困難となります。骨格の成長中にしかできない顎の骨を拡大させて気道を広げる治療は、子どもの時期にしかできない治療で大きなメリットがあります。
乳歯とは
乳歯とは、赤ちゃんの時に生えてくる歯のことです。子どもの頭の成長に合わせて前歯から少しずつ生えていきます。
乳歯は大人の歯(永久歯)と比べてエナメル質と象牙質の厚みが薄く柔らか苦、また大きさも小さい特徴があります。
また、食べ物を噛んだり、発音の補助、顎の発育を助けて顔つきを整えたり、永久歯の生え替わりの目印になります。
何歳くらいで生え変わるの?
赤ちゃんの乳歯は生後6カ月ごろから下の前歯から生え始めます。その後2歳半頃までに上下合わせて20本が生え揃います。
下の前歯2本のあとは上の前歯2本が生えて、そのあと前から2番目の歯が上下左右で4本生えていきます。
前歯8本が揃うと奥歯が生えていきます。個人差があるので半年ほどズレることも多々ありますが、全く心配いりません。1歳頃まで全く生えないこともありますし、稀に生まれた時点で生えていることもあります。
小児矯正の具体的な方法
乳歯のみ生えている段階であったり、前歯が永久歯に生え変わる段階であったり、時期によって矯正装置は異なります。
基本的には拡大床(かくだいしょう)と呼ばれる装置を用いることが多く、顎が小さく永久歯の生え変わるスペースがない場合に顎自体を広げるような力をかけることでスペースが獲得でき、将来的に八重歯にならないようになど歯が綺麗に並ぶのを補助していきます。
また、顎の成長が過成長な子どもの場合は、成長を抑えるようなキャップを下顎に使用して適切な顎の成長を促します。
歯並びが乱れるかもしれない具体的な子どもの症状
- ・歯がガタガタ・すきっ歯・出っ歯・前歯が噛んでいない
- ・受け口・下顎が小さい・上顎の成長が遅れている
- ・口を開けていることが多い・唇が乾燥しやすい・口呼吸
- ・食べ物が噛みづらい
- ・指しゃぶりの癖・舌が大きい
- ・集中力がもたない、すぐ眠くなる
小児矯正の治療期間について
矯正の治療期間について
治療期間は症例によって様々ですが、永久歯の前歯4本と6歳臼歯が綺麗に並んでスペースも良好な状態に落ち着いた後に、保定装置と呼ばれる矯正装置に移行します。個人差やスタートの時期によって差はありますが、1年〜3年ほど治療期間がかかります。
乳歯から永久歯への生え変わりの時期は保定装置を使用しながら経過を見させて頂きます。
治療中について
通院間隔
小児矯正の治療期間中は、1ヶ月に1回装置の状態、お口の中の状態をチェックします。
虫歯がないか、汚れがたまっていないか、など歯並び以外にもしっかり診査を行い長期的に経過を見させていただきます。
治療中について
矯正装置によって異なりますが、拡大床であれば、寝る時だけでも良いものも中にはありますが、基本的にはお食事、歯磨き以外の時間は装置をつけてもらいます。
お友達と遊ぶ時など、場合によって外してもらっても構いません。
別のマウスピース型の矯正装置であれば、家にいる間と寝る時につけてもらえれば、それ以外の学校の時間はつけなくても良いタイプもあります。
ワイヤーを用いることもあるので、その場合はお食事中も常につけたままになります。
成人矯正と小児矯正は何が違うの?
矯正治療の中でも、小児矯正はⅠ期治療、成人矯正はⅡ期治療と呼ばれています。通常大人になってからの成人矯正はワイヤーまたはマウスピースにて全ての歯に対して装置をつけて行い、歯自体を動かすように力をかけます。
小児矯正では、歯に対してのアプローチではなく、顎の骨と舌、唇など筋肉に対してアプローチして正常な成長が行えるようにしていきます。
綺麗な顔立ちに整ったり、口腔習癖を改善できれば将来的な後戻りにも予防となります。
Ⅱ期治療だけであると抜歯が必要になったり、顎の骨の手術が必要になるリスクがあります。そこで子どものうちから顎の骨を正しい成長に誘導することは将来に渡っての大きなメリットとなります。
また、気道を広げることにより、口呼吸から鼻呼吸になり、集中力が持続したり、寝てる間のいびきなどもかきにくくなるため、昼間の眠気も無くなるでしょう。
大人になってからの睡眠時無呼吸症候群の予防につながると考えられています。
小児矯正ができないようなケース
著しく骨格に異常がある方や、乳歯、永久歯が先天的に欠如している方は小児矯正治療ができない場合があります。その場合は大人になってから矯正治療を考えたり、専門機関での受診をお勧めすることもあります。
小児矯正の注意点
矯正装置を規程の時間装着しないと、適切に動かないことがあります。
矯正装置の破損が起こり再度装置の作製をする場合、装置代の費用がかかることがあります。
小児治療の流れ
STEP01カウンセリング、資料採得
歯並び、審美的にどこを治したいか どういう歯並びにしたいか 患者様の希望を細かく教えていただきます。
口腔内スキャン、3DCT、セファロレントゲン撮影など診断に必要な資料採得をします。
STEP02治療計画、矯正前治療
患者様の希望と資料を元に治療計画をご提示します。
治療方法、治療期間、メリット、デメリット全てお伝えし、安心・ご納得の上で治療を進めていきます。
また、レントゲン(パノラマX線写真や3DCT)を用いた診査診断を徹底的に行い、虫歯など矯正中に問題が起こりそうな箇所は予め総合クリニックである当院にて治療を行います。他院様へご紹介、処置をしていただくご足労はおかけしません。
STEP03矯正開始
矯正装置をお渡しして、毎日適切に使用して頂きます。
月に1回来院して頂き、経過を見ていきます。
STEP04リテーナー、メンテナンス
小児矯正治療終了後は後戻り防止の装置(リテーナー)をつけ、永久歯(小臼歯)の交換を待ちます。
メンテナンスでは矯正だけでなく、虫歯、汚れのチェックも行いますので綺麗になった歯並び、口腔内の状態を良好に保つことができます。